葬儀全般の一般常識

そもそも通夜とは?

亡くなられた方を葬る前に、親類や知人が集まって、ひと晩過ごすことを通夜といいます。昔の通夜は、遺族や近親者のみで、夜を徹して枕頭(亡くなられた方の枕もと)で行われたので、”通夜”というようになりました。

しかし、現代では”半通夜”といって、午後6時頃~午後9時頃に終わるのが、一般的のようです。その後、残った遺族や近親者は、ロウソクや線香を絶やさずに交代で遺体を一晩中守ります。

故人と親しかった人は、知らせを受けたら原則として弔問にかけるけるのが礼儀といえるでしょう。

通夜ぶるまいとは?

通夜が終わると(実際にはご焼香のすんだ方から)、葬家では弔問に対するお礼清めの意味を込めて、酒、ジュース、ビール、寿司、煮物、つまみなどの軽い軽食をふるまいます。弔問された方はとくに用事がなければ、通夜ぶるまいを受けるようにします。

神棚封じと仏壇邦じ

神棚を祀ってある家は、人の死を忌み嫌う神様をお祀りする神棚に、穢れのないよう、忌明けまで白い半紙などを貼って封印します。これを”神棚封じ”といいます。この間は普段の礼拝ができません。

同様に仏壇の扉を四十九日まで閉める風習があります。これは自宅を葬儀会場にする場合のことで、葬儀のための片づけや幕を張るときにホコリが入ったり、扉が邪魔になったりすので一時的に扉を閉め、葬儀が終わると開けました。

しかし、いつの間にか四十九日まで閉めていなくてはいけないというように、間違って伝えられています。

仏教では人の死を忌み嫌うことはありません。その間、ご本尊様、ご先祖様の供養ができませんし、忌中の間も日々の礼拝をして、亡き人をご浄土へとお導きくださるようお願いすることができなくなります。

宗派などによっても、微妙に異なることがありますので、お寺や神社に相談して行うようにしましょう。

会葬御礼とは

突然のことにもかかわらず、通夜や葬儀にわざわざ来ていただいた会葬者の方に、感謝の印として500円~1500円のハンカチなどに清めの塩「御会葬御礼」の挨拶状を添えてお渡しすることです。

これは、その場のお礼であり、香典返しなどとは別のものです。

ただし、地域によってはしきたりとして香典返しを会葬御礼とともに、当日のうちに渡してしまうこともあります。

これを「当日返し」といいます。

線香での焼香の正しい作法は?

1.遺族、僧侶に一礼し、霊前で合掌したのち、右手で線香を一本取ってろうそくの火を移す

2.線香に火がついたら、左手で軽くあおいで消す

3.他の線香と間隔をおいて香炉に立てる

座礼での焼香

1.礼をして立ち、霊前の手前に座り僧侶に一礼

2.霊前に進み、座布団の手前で深く頭を下げて一礼

3.香は右手の親指、人差し指、中指でつまみ、目の高さまで捧げて静かに香炉に入れる。

4.合掌をして座をさがり、遺族、僧侶に一礼

立礼での焼香

1.順番がきたら一歩手前に出て、遺族、僧侶に一礼

2.焼香台により3、4歩下がったところで、霊前に一礼。手前に進んで合掌する。

3.香は右手の親指、人さし指、中指でつまみ、目の高さまで捧げて静かに香炉に入れる。

4.合掌したのちそのまま3,4歩さがって向きをかえ、遺族、僧侶に一礼

忌服とは

「忌」とは死者の汚れを忌むことです。

「服」とは喪服のことで、身内に死者があったときに汚れた体を喪服に包んで、一定期間、行動を慎み、身を清める意味です。

「忌」と「服」を含めて「喪」ともいい、忌服の期間を「喪中」ともいいます。

そして、現在では「喪中」は慶事を慎む期間とされていますが、忌中が実質的な喪中でこの期間は「忌明けまで」とされ、仏式では四十九日まで、神式では五十日祭まで、キリスト胸式では忌明けがありませんので、1ヵ月後の命日までと考えてよいでしょう。

母の忌明け前に孫の初節句をやってもよい?

一般に忌明け前は避けたほうがよいでしょう。

お祝いごとは延ばしてもよいので、忌明け後に、みなさんの都合の良い日を選んでお祝いしましょう。

喪中のとき、知人の七回忌法要にお供物、お花を贈ってもよい?

忌服の期間中、あらたに近親者が亡くなった場合は、死亡日から忌服を重ね、その喪が明けるまでを喪中とします。